進化した看護小規模多機能型居宅介護とは?
比較的新しいサービス「看護小規模多機能型居宅介護」
看護小規模多機能型居宅介護は、退院後の在宅生活へのスムーズな移行、ガン末期の看取り、家族に対するレスパイトケアなどを想定して平成24年度の介護サービス報酬改定で創設されたサービスです。
簡単にいってしまえば、小規模多機能型居宅介護に訪問看護が追加されたものです。同じ事業所で介護サービスと看護が一体的に提供できるようになったため、より医療的ニーズが高い利用者にも対応することが可能になりました。たとえば、胃ろうや痰の吸引、血糖値などの測定が必要な場合、自宅でそれらのケアをできる人が必要となりますが、同居している家族がおらず1人暮らしだったり、家族がいても高齢もしくは日中は不在だったり、と処置できないケースもあります。ですが、看護小規模多機能型居宅介護で一日に複数回、看護職員や研修を受けた介護サービス職員が訪問して必要なケアを行うことができるようになったため、施設に入所せずとも自宅での生活が可能になりました。
医療支援が充実
また、介護サービスと看護を一体的に提供できることで、医療的ニーズが高い利用者に対しての支援もより充実させることができるようになりました。これまでは介護職員がなにか気づいても、看護職員に報告するまで時間が空いたり、適切な処置を行うまでに間が空いたりしていましたが、一体的に提供できる看護小規模多機能型居宅介護では介護サービス職員が気づいたことを事業所で看護職員にタイムリーに報告できるため、時間をかけずに看護職員が適切な処置を行うことができます。
また、「介護サービス職員」「看護職員」「ケアマネジャー」の連携が密になるため、そのときの状況や状態に応じて臨機応変にサポート体制を変えることも可能です。これにより、医療的ニーズが高い利用者や退院直後で状態が不安定な人も安心して自宅で生活することができるようになりました。さらに、介護サービスに慣れていないご家族にとっても心強い存在となるため、看護小規模多機能型居宅介護は医療機関、介護サービス施設、自宅、の中間施設として位置づけられています。
さらに詳しく知りたいなら
看護小規模多機能型居宅介護について詳しく知りたい方は概要や内容が詳しく書かれている厚生労働省の資料を見てみましょう。
厚生労働省「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)について」
今後が期待されているサービス
看護小規模多機能型居宅介護の事業所はまだ全国的にもそれほど数は多くありません。ですが、地域のニーズに応じて増加していくことが十分に予想され、地域包括ケアシステムの主軸となるサービスとして今後も大きな期待が寄せられています。看護小規模多機能型居宅介護は医療的ニーズが高い利用者の住み慣れた地域での生活を支えるために欠かせない、利用価値の高い介護サービスです。
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機能も役割も異なる3つの介護サービスを包括的に行っている小規模多機能型居宅介護では、その運営方法から介護職員と利用者の双方へさまざまなメリットを生み出しています。介護に携わる者として何かと得られるものが多く、さらに今よりも上のポジションを目指すにも最適な場所です。では、そのような魅力が詰まった小規模多機能居宅介護で実際に勤務するには、どのような条件や資質が求められるのでしょうか?働くメリットと共に紹介します。
小規模多機能型居宅介護は「通い」「宿泊」「訪問」と異なる3つの介護サービスを一体的に提供できるため、従来の介護サービスに比べて手厚く柔軟に対応できるのが特徴です。それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。